糸リフトをするなら「溶ける糸」と「溶けない糸」どっちがいい?注意点も紹介
公開日:2024/03/31 更新日:2024/07/11
糸リフトを検討する際は、事前に「溶ける糸」と「溶けない糸」の違いを知ることが重要となります。知らずに施術を受けると、「やはり違う施術にすればよかった」と後悔につながる場合があるからです。
そこで今回は、糸リフトの「溶ける糸」と「溶けない糸」、それぞれの特徴を解説します。また、あわせて糸リフトの効果を長持ちさせるポイントや、失敗しないクリニックの選び方も紹介します。
それぞれの糸の特徴やメリット、デメリットを整理したうえで、自分に合ったメニューを選びましょう。
目次
糸リフトに使用される「溶ける糸」
まずは「溶ける糸」について、下記の点をチェックしてみましょう。
- 効果
- 種類
- 持続期間
- デメリット・注意点
どのような特徴を持つ糸なのか、一つひとつ見ていきます。
溶ける糸の効果
糸リフトで使用される溶ける糸は、挿入してから徐々に体内に吸収されて消える性質があります。溶ける糸の中には、医療現場でも外科手術などに使用されているものもあります。
さらに溶ける糸は、挿入する際に皮膚の組織に刺激を与えます。挿入した箇所の周辺でコラーゲンの増生が起こるため、ハリ・ツヤアップが期待できます。リフトアップのみでなく、たるみやシワの予防が期待できる美肌治療として選ばれることも少なくありません。
溶ける糸の種類
溶ける糸には、複数の種類があるため、施術を受ける前は積極的にチェックしておきましょう。前もって種類を把握しておけば、自分に合った糸リフトのメニューが選べるためです。
一般的によく使用される溶ける糸は、次の2つが挙げられます。
- ポリジオキサン(PDO)
- ポリカプロラクトン(PCL)
PDOは多くのクリニックで使用されている糸の素材です。中程度の強度があり、細かいシワなどに使われることが多い傾向にあります。
ポリカプロラクトン(PCL)は、持続性の高さが特長の素材です。持続性が高いのは、体内に吸収されるペースがほかの糸より遅い傾向にあるためです。また、柔軟性も高いため、施術の際はなめらかに挿入でき、刺激を抑えられます。
溶ける糸の持続期間
溶ける糸を使用した場合、半年~2年程度の効果が持続します。糸は一定の時間をかけて身体に吸収され、完全に吸収されたあとは、リフトアップの効果はなくなります。
糸の挿入から体内になじみ、最終的に吸収されるまでの過程を整理してみましょう。
施術直後 | 顔のひきつりや口の開けにくさを感じる |
施術後1~2週間 | 徐々に肌になじみ、違和感が落ち着く |
術後半年~2年程度 | リフトアップ効果が持続する |
術後2年以降 | 身体に糸が吸収され、リフトアップ効果が切れる |
溶ける糸を使うデメリット・注意点
溶ける糸で施術を受ける際は、持続期間が短いことに注意しましょう。溶ける糸は徐々に体内に吸収され、やがて効果がなくなるためです。そのため高い持続力を求める場合は、溶けない糸を使った施術や、切開リフトを検討する必要があります。
また、まれなケースですが、感染症を起こすリスクがある点にも、注意が必要です。身体の中に一生残るため、アレルギーや肌トラブルが起こるリスクはゼロではありません。
糸リフトに使用される「溶けない糸」
次に、「溶けない糸」について、以下の点を整理してみましょう。
- 効果
- 種類
- 持続期間
- デメリット・注意点
溶けない糸の効果
溶けない糸は、施術後に体内へ吸収されることはありません。そのためリフトアップ効果の持続性は、溶ける糸よりも高いことが大きな特徴です。「少しでも長持ちしやすい糸リフトのメニューを選びたい」という方に、溶けない糸での施術は向いています。
ただし、溶けないからといって半永久的にリフトアップ効果が望めるわけではありません。時間の経過に伴い、付いた組織をひっかけて固定する部分である「コグ」の耐久性が落ちるためです。
溶けない糸の種類
溶けない糸には「PP(ポリプロピレン)」「金」などの種類があります。
PPは、外科手術でも使われることのある素材です。ナイロン性で吸収されず、施術後は体内にそのまま残ります。伸縮性がないため、引きつれを感じやすいものの5年ほどリフトアップ効果を維持できます。
金の糸とは、一般的なコグや突起でできた糸と異なり、純金で作られた糸リフトです。皮膚のたるみを引き上げる効果は強くありませんが、10〜15年程度美肌効果が期待されます。コラーゲンや血管の再生を促し、イキイキとしたツヤと血色を与えます。
溶けない糸の持続期間
溶けない糸を使用した際のリフトアップ効果は、1~3年程度続くといわれています。効果が永続的でない理由は、糸自体は溶けなくても、組織を引き上げる性能自体が落ちてしまうためです。
溶けない糸も溶ける糸と同様に、施術直後は、しばらく顔の引きつりや違和感を覚えることがあります。しかし、1~2週間程度をめどに徐々になじむため、違和感は一時的なものと考えていいでしょう。
溶けない糸を使うデメリット・注意点
溶けない糸にはデメリットがいくつかあるため、事前にチェックしておきましょう。溶けない糸は溶ける糸と比べると、ややデメリット・注意点が多いため、施術を受ける際は慎重に検討しましょう。
主なデメリット・注意点は、下記のとおりです。
- 溶けない糸より感染症を引き起こすリスクが高い
- トラブルがあった際に修正しにくい
- 別の美容施術で糸が妨げになるケースがある
糸を挿入している、こめかみや頬、顎にかけて赤みが出ることがあります。溶ける糸にも感染症のリスクはあります。しかし、溶けない糸のほうがリスクが高い傾向にあります。
また、溶けない糸の中には、取り出しができないものもあります。さらに、糸が入っていることで、ハイフやレーザーなど、他の美容施術が受けられない恐れもあります。
糸リフトの効果を長持ちさせるには
次に、糸リフトの効果を長持ちさせるポイントを整理しておきましょう。ポイントを事前に理解しておくことで、早めに効果が切れてしまったり、トラブルが起きたりするリスクを抑えられます。
それぞれ具体的に何に注意すべきなのか、詳細を見てみましょう。
術後のマッサージは控える
糸リフトを受けたあとは、施術箇所をマッサージしたり、強くこすったりするのを避けましょう。施術直後にマッサージして刺激を与えると、糸がずれてしまう恐れがあるためです。
施術を受けて間もないうちは、糸が完全に身体になじんでいません。最初のうちに、引きつりや違和感を覚えるのも、糸がなじんでいないことが原因です。なじんでいない状態の糸は、ずれやすいため十分に注意しましょう。
糸がずれると、引きつりの症状や痛みが悪化したり、左右差につながったりする恐れがあります。
大きく口を開けないようにする
効果を長持ちさせるには、大きく口を開けないように注意し、施術箇所を刺激しないように気をつけてください。口を大きく開けることも、糸がずれたり切れたりする原因になるためです。
また、糸リフトを受けたあとは、必要以上に大声を出すことを避けましょう。大きく口を開けて食べる食べ物も、控えることが望ましいです。さらに、緊急時を除いて、歯医者での治療も施術後1週間程度をめどにしばらく避けましょう。
固い食べ物は避ける
糸リフトの施術後、効果を長持ちさせるためには固い食べ物を避け、できる限り柔らかいものを中心に食べるようにしましょう。力強く咀嚼を繰り返すことで、施術箇所に刺激が加わり、糸がうまくなじまない場合があるためです。
何度もものを噛んだり、力いっぱい咀嚼したりすると、頬や顎の組織が繰り返し動いてしまいます。結果、糸がずれて想定した効果が見込めなくなったり、引きつれや違和感が強くなったりすることも考えられます。
術直後は飲酒や激しい運動を控える
糸リフトの施術を受けた直後は、血行促進につながる行動を控える必要があります。飲酒や激しい運動で血流がよくなると、施術による痛みやむくみ、腫れなどの症状が悪化することがあるためです。
また、サウナや長時間の入浴なども控えましょう。仕事は施術当日から通常どおりできますが、あまりにも重労働が多い場合は、無理をしないことが大切です。
糸リフトをするクリニックの選び方
糸リフトの施術を受けるクリニックは、選び方にこだわりましょう。さまざまな点をチェックして選べば、自分に合うクリニックが見つかります。選び方のポイントは、上記の3つです。それぞれの重要な点を、詳しく解説していきます。
経験・実績は十分か
糸リフトができるクリニックを選ぶ際は、症例実績や、医師の経験について調べましょう。経験や実績が充実しているほうが、担当ドクターの高い技術力に期待できるためです。
糸リフトでトラブルを防ぐには、的確な箇所に糸を挿入して施術できる、医師の技術力が求められます。経験や実績を調べる際は、クリニックで紹介している症例の件数や、医師の得意施術などに注目するとよいでしょう。
保証制度はあるか
「効果が出なかったらどうしよう」などの不安が大きいときは、保証制度の有無と、保証内容をチェックしましょう。
例えば保証付きの糸リフトのメニューは、施術後に効果を実感できなかった場合、一定期間は無料で再施術できることがあります。保証制度のあるメニューなら、初めて糸リフトの施術を受ける方でも選びやすいです。
値段は適正か
糸リフトの平均相場は1本あたり2〜6万円です。なお、改善したい症状やたるみの度合いによって必要な本数が異なり、4~12本使用するケースが多いです。
自由診療である美容医療は、クリニック側で料金を自由に設定できます。相場と比較して安すぎる場合、もしくは高すぎる場合は避けるのが無難です。
また、比較する際はしっかりと適正料金が見極められるように、糸の本数や種類をできる限り合わせるようにしましょう。
効果を持続させたいなら切開リフトがおすすめ
「糸リフトはダウンタイムが短くて魅力的だけど、やっぱり効果は長持ちするほうがいい」と感じる方は多いでしょう。持続力を重視する場合は、切開リフトを検討してみましょう。切開リフトは、糸リフトよりも長期的な効果が期待できるためです。
切開リフトは、メスによる切開を伴うリフトアップ施術です。皮膚を切り、たるみを引き上げたうえで、余った皮膚を取り除いて縫合処理を施します。切開リフトは、5~10年ほどリフトアップ効果が持続します。
切開リフトはたるみが目立つ方にもおすすめです。たるみが重度だと、糸リフトでは引き上げる力が足りず、効果を実感できない方もいるためです。施術を検討する際は、糸リフトのみでなく、切開リフトも選択肢の一つとしてチェックしておきましょう。
切開リフトは恵比寿美容外科にご相談ください
糸リフトには溶ける糸と溶けない糸があり、それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合うメニューを検討することが重要です。安易にメニューを選ぶと、自分に合った施術が受けられず、あとで後悔する場合があります。
さらに、糸リフトの施術時はクリニックを慎重に選ぶことも重要です。選び方に沿って安心感のあるクリニックを選べば、施術の失敗やトラブルも防げる可能性が高まります。
また、持続性に優れたリフトアップ施術を受けたいときは、切開リフトが選択肢の一つになります。恵比寿美容外科は切開リフトに注力しているクリニックで、多くの経験と実績に基づき、高品質な施術を提供しています。切開リフトに興味がある方は、まずは無料カウンセリングにご予約ください。

監修者:柳田 徹
- ・東京生まれ。
- ・幼少期をエジプト・カイロで過ごす。
- ・千葉県立東葛飾高校を卒業後、鳥取大学医学部へ。
大学では競技スキー部キャプテンを務める。1998年卒業。 - ・国立病院東京医療センターで外科系研修を修了。
麻酔科、救命などを学ぶ。 - ・東京医科大学形成外科に入局。
美容外科の根幹となる形成外科を基礎から学ぶ。 - ・美容外科専門クリニックにて多くの経験を重ねる。
- ・仙台と札幌で院長職を務める。
- ・Johns Hopkins Medicine International提携クリニックでエイジングケア手術担当医として勤務。
- ・2011年 恵比寿美容外科院長就任。
- ・美容、形成外科経験20年。
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