糸でフェイスリフトを行う「糸リフト」のメリットとデメリット、効果について解説
公開日:2019/10/31 更新日:2024/07/11加齢にともなうシワやたるみを改善する方法として糸を使用してフェイスリフトをおこなう「糸リフト」という手術をご存知でしょうか?
数々のクリニックでおこなわれているリフトアップ手術ですが、このページでは糸リフトの効果やメリットとデメリットを紹介し、よくある質問について回答していきます。
目次
糸を使うフェイスリフトの「糸リフト」とは?
フェイスリフト手術を大きく分類すると、メスを使用する切るフェイスリフト手術、レーザーを照射するレーザーリフト、ヒアルロン酸やボトックスを注入するフェイスリフト手術、そして糸を使用する糸リフトの4種類に分けられます。
今回紹介する糸リフトの中にも、皮膚のしたに糸を埋め込んで皮膚と筋肉を引き上げることで肌にハリを出す術式や、小さな毛羽立ちのある糸を肌の下に通して肌を引き上げる術式などいくつかの種類があります。
糸リフトで使用される医療用の糸は数ヶ月かけて人体に吸収される特殊なものが使用されており、糸によって刺激されて生成されたコラーゲンが残るので効果が一定期間キープされるのが糸リフトの仕組みです。
糸を使うフェイスリフトのメリット
いくつかあるフェイスリフト手術の中で糸リフトを選ぶメリットについてご紹介します。
美肌効果が期待できる
糸リフトはリフトアップ効果に合わせて美肌効果を期待することができます。
使用する糸は肌に吸収される医療用の特殊な糸を使用していますが、肌は異物が困窮したと判断し、創傷治癒作用によってコラーゲンとエラスチンが作り出されます。
コラーゲンとエラスチンは加齢と共に減少していく、肌のハリ・潤いなどに欠かすことのできない成分のため美肌につながります。
傷跡が残らず、合併症リスクが少ない
肌にメスを入れる切るフェイスリフトは傷跡がしばらく残ってしまいますが、糸リフトであれば肌の下に糸を通す手術内容ですので大きな傷跡が残ることなくリフトアップが可能です。
また、切開することもありませんので、合併症のリスクが低いこともメリットといえます。
ただし、切るフェイスリフトでも傷跡がほとんど残らないクリニックや、糸リフトでも合併症が起きた実例もありますので、フェイスリフト手術はクリニック・医師の技術に依存する部分が大きいので、クリニック選びは慎重におこないましょう。
糸を使うフェイスリフトのデメリット
続いて糸リフトのデメリットについていくつかご紹介していきます。
期待している効果が得られないことがある
フェイスリフト手術を受けられる患者様の多くは「シワやたるみを”無くしたい”」と思って来院されます。
しかし、糸リフトでは大きなリフトアップ効果を得ることが難しく、期待しているほどの効果を実感することは難しい可能性があります。
また、糸リフトによるリフトアップは一定の期間で元に戻ってしまいますので、効果が一過性に過ぎないという大きなデメリットがあります。
これはレーザーや注射によるフェイスリフト手術にも共通して言えることです。
一度効果を実感してしまうと、元に戻ってしまった際にまた手術を受けなければ満足できなくなってしまうケースも多々ありますので、最終的に膨大な費用になってしまうことがあります。
不自然な仕上がりになってしまうこともある
糸リフトに限った話ではありませんが、フェイスリフト手術は肌の治癒力や医師の技術によっては左右で差が出ることもあります。
このリスクはもちろん手術の回数を重ねるほど大きくなっていきますので、繰り返し手術をおこなっていく糸リフトなどの術式では大きなリスクになってしまいます。
糸を使ったフェイスリフトの注意点
お手軽とはいえ、顔に直接施す手術ですので、
術前のカウンセリングでは、納得がいくまでしっかりと説明を受けましょう。
糸によるフェイスリフトの注意点として、代表的なものを以下に羅列します。
- ・切る手術ほどの著しい効果はない
- ・糸や施術バリエーションが豊富で、どれがいいか選べない
- ・長持ちはしないので、中長期的な効果は見込めない
- ・術前に期待しすぎると、術後の実感が薄い
不安を解決するため、やはり事前にいろいろと情報を得ることがおすすめです。
糸を使ったフェイスリフトがおすすめの人
糸を使ったフェイスリフトをおすすめしたいのは、次のようなお悩みの方です。
1. メスを入れずにリフトアップしたい人
「美容整形でのリフトアップには興味があるけれど、メスを入れての手術は怖い」という人は非常に多いです。
糸を使ったフェイスリフトは全くメスを使用しないので、美容整形への不安なく手術ができます。
糸を皮下組織に挿入してリフトするため、永続的な効果とはいかないものの、しっかりとしたリフトアップ効果が期待できます。
2. 皮膚が柔らかく程よい皮下脂肪がある人
糸リフトは皮膚が柔らかい人の方がリフトしやすくなります。
全く脂肪がない人は糸が目立ってしまう可能性がありますし、脂肪が多すぎる人は脂肪の重みで思うようにリフトできないので、程よく皮下脂肪がついている状態の人におすすめです。
程よい皮下脂肪がある人なら、リフトアップ直後のバランスを考えてリフト調整がしやすくなります。
3. すぐにリフトアップさせたい人
基礎化粧品を使ってマッサージをしたり、フェイスリフト効果が期待できるエステに通ったりしても、すぐにしっかりリフトアップされるわけではありません。技術力の高いエステならある程度施術後にリフトアップされることはありますが、重力の影響もあってすぐに元の状態に戻ってしまいます。
糸を使ったリフトアップなら、施術が終わった瞬間からリフトアップされているので、コツコツ時間をかける必要がありません。すぐに効果を感じたい人におすすめです。
4. ダウンタイムがあまり取れない人
フェイスリフトよりも長期の効果が期待できるのは切るフェイスリフトですが、切るフェイスリフトはダウンタイムが必要になります。
ダウンタイムの期間は1〜2週間程度で、どれくらい腫れたり浮腫んだり内出血が出たりするかは個人差があるため、場合によってはもう少しかかってしまうかもしれません。
そのため、お仕事などの都合で長期の休みを取ることが難しい人は、ダウンタイムが2・3日で済む糸を使ったフェイスリフトがおすすめです。
5. 予算があまりない人
メスを入れて切るフェイスリフトは効果も高いぶん、費用も高くなってしまいます。相場は50〜80万円ほどです。
一方、糸を使ったフェイスリフトはどこで施術を受けるかにもよりますが、7万円前後が相場です。切るフェイスリフトよりは費用がかなり安いので、予算がないという人にもおすすめです。
6. まずは一度フェイスリフトをしてみたいという人
メスを入れるフェイスリフトの場合、元の状態に戻すことはできません。
一方、糸を使ったフェイスリフトはあくまでも一時的なものです。「切らずにフェイスリフトをしたらどのようになるかを試してみたい」という人にも向いています。
糸を使ったフェイスリフトのよくある失敗
糸を使ったフェイスリフトを検討する際は、失敗例やデメリットもよく考慮しておきましょう。
ここでは、糸を使ったフェイスリフトでありがちな失敗を4つ紹介します。
1. 肌がぼこぼこしてしまった
糸を使ったフェイスリフトは皮下組織に糸を入れてリフトアップします。表皮と並行に糸を入れていくのですが、糸が何らかの原因でずれてしまって一部分だけ真皮に刺さってしまうと肌の表面がぼこぼこしてしまうことがあるのです。
糸の種類にもよりますが、使用する糸についている突起が大きいと、この失敗が起きやすい傾向にあります。
2. 糸が透けて見えてしまう
糸を使ったフェイスリフトに使用する糸の太さはさまざまですが、太い糸を使った場合、糸が透けて見えてしまうという失敗も多いです。
糸は薄い皮下組織に入れるのですが、皮下組織の厚みには個人差があるため、場合によっては糸が透けて見えてしまうという事態に陥ってしまいます。また、肌を触ると突起のギザギザがわかるという失敗も多いです。
3. つっぱってしまう
糸を使ったリフトは一人ひとりの肌の厚みに合わせた糸と、糸を引っ張るバランスを考えなければいけません。しかし、そのバランスを間違えてしまうと引っ張りすぎて顔がつっぱって見えることがあります。
また、引っ張るときに横に引っ張ってしまうことで顔が大きくなったように見えるという失敗もあります。
4. 効果が感じられない
ダウンタイムが短く負担が少ない糸を使ったフェイスリフトですが、ドクターの高い技術が求められることには変わりありません。技術も知識もないドクターや経験がまだ浅いドクターが施術すると思ったように効果が感じられないことも多いです。
また、患者さんの要望に応える技術がなく、自分の判断だけで手術をしてしまうドクターもいます。カウンセリングの段階で話を聞いてもらえない、信頼できないと感じるクリニックで施術を受けるのは避けましょう。
糸リフト以外のフェイスリフトの方法
糸リフト以外でもフェイスリフトをおこなう方法はあります。それは、切開リフトです。
切開リフトとは、名前の通り顔の皮膚を切開して、フェイスリフトをおこなう施術のことです。糸リフトと比べると、どうしても傷跡が残ってしまうデメリットがある反面、効果は長続きするメリットもあります。
フェイスリフトによる傷跡やダウンタイムは、医師の技量の差による部分が大きいため、信頼のできる医師を選ぶことが重要です。
また、切開リフトについては、別の記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
糸を使うフェイスリフトって本当にいいの?よくある質問と回答
糸リフトに関するよくある質問をまとめてご回答していきます。
他クリニックではなかなか言いづらい本質的な部分をご紹介していきます。
Q.糸リフトに後遺症のリスクはありますか?
A.リスクは低いですが、全くの0というわけではありません。
糸リフトの後遺症といえば一般的に「少しぼこぼこしている」「糸が肌表面に出てくる」「糸が透けて見える」などになります。
でこぼこしている方というのは術後すぐは仕方ない部分もありますが、透けて見えるというのは、糸を通す深さが浅いことから起きてしまうので、やはり手術をおこなう医者の力量によって仕上がりは左右します。
Q.糸リフトの糸は切れることはないのですか?
A.基本的には、溶ける糸を使っている場合は必ず切れます。
切れてしまいますが、糸が切れてしまうというだけで仕上がりに大きな影響はありません。
Q.糸リフトの効果はどれくらい持続しますか?
A:一般的な糸リフトの場合でいえば、「効果がなかった」「1週間~1ヶ月」という方が多いようです。
多くの美容クリニックでは1週間~1ヶ月でも効果があればまだいいほうで、ほとんど効果を感じられなかったという方のほうが圧倒的に多いと思います。
Q.効果を感じられても1週間~1ヶ月ということは、一般的な糸リフトは効果を感じられる人のほうが少ないということでしょうか?
A:残念ながらそうですね。
Q:「糸リフトはあまり効果が期待できない」「効果が見えづらい」ということになりますでしょうか?
A:効果には、「引き上げる効果」と「肌にハリが出る効果(化粧ノリが良くなる)」の2種類があると考えていて、引き上げの効果に関してはあまりないと思っています。
肌のハリに関する効果に関しても、正直不明な部分が多く、私は患者様におすすめはできません。
より効果を実感したいのであれば切るフェイスリフトがおすすめ!
糸リフトはほとんど効果を感じることができない、もしくは一時的に効果を得ることができるかもしれませんが、期待ほどの効果が得られない可能性があります。
当クリニックでは確かな効果をすぐに感じることのできる切るフェイスリフトをお勧めしています。
切るフェイスリフトであれば指一本分ほどの皮膚を取り除くので、確かな効果を得ることが可能です。
肌の一部を取り除くというと恐怖感を覚える方も多くいるかと思いますが、まずはカウンセリングからおこないましょう。
————————— ※上記の記事の内容につきましては、個人差もあり実際の施術内容と異なる場合もございます。 詳細につきましては、カウンセリングの際に確認していただければと思います。 —————————
監修者:柳田 徹
- ・東京生まれ。
- ・幼少期をエジプト・カイロで過ごす。
- ・千葉県立東葛飾高校を卒業後、鳥取大学医学部へ。
大学では競技スキー部キャプテンを務める。1998年卒業。 - ・国立病院東京医療センターで外科系研修を修了。
麻酔科、救命などを学ぶ。 - ・東京医科大学形成外科に入局。
美容外科の根幹となる形成外科を基礎から学ぶ。 - ・美容外科専門クリニックにて多くの経験を重ねる。
- ・仙台と札幌で院長職を務める。
- ・Johns Hopkins Medicine International提携クリニックでエイジングケア手術担当医として勤務。
- ・2011年 恵比寿美容外科院長就任。
- ・美容、形成外科経験20年。
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